オホーツクだより

網走自然ガイド&旅人の宿「わしのとまり木」オーナーブログ

魚道造り

2011/11/20 17:50
 
111120-003.jpg

111120-006.jpg
先日積もった雪はその後の気温上昇と雨で全て融けました。
今日は朝から美幌博物館のお手伝いで美幌町郊外の小さな川の魚道造りに参加してきました。
この川にはサケ、カラフトマスが遡上する他、同じサケ科のアメマス、ヤマメやフクドジョウ、カジカの仲間などが棲んでいます。

治水のために造られた落差工、治水には有効ですが、魚にとってはこの段差を超えるのは大変な事で、落差工があることで生息地が分断されてしまいます。
サケ科のように川と海を行き来する魚に影響があるのはもちろんですが、一生川に棲む魚であっても産卵に適した場所、稚魚から成魚になるまでにもその過程で適した場所がそれぞれあり、本来は1つの川の中で上流と下流とを移動しながらその時の最適な場所を探します。
しかしこのような人工的な構造物で分断されると魚の移動できる範囲が狭くなり、その分だけそこに棲む魚にとってはその時その時の適した生息場所が減ることになり、やがてそこに棲む魚の数自体が減っていきます。

今日の作業は落差工を残し、その治水機能は生かしたまま、魚達が行き来しやすいように魚道を造るものです。
美幌博物館の学芸員さんたち、農大の学生たち、そして学芸協力員の私達の他、この川に面した畑を所有する農家の皆さんたちとで作業を行いました。

落差工の下流側の中央にプラスチックのネットを敷き、石を詰めて盛り上げ、その両側に緩やかな勾配の魚道を造り、落差工との段差を少なくします。盛り上げた部分の石が増水で流されないように上からプラスチックのネットを被せ、固定して作業完了。
111120-009.jpg


通常水位の時は魚たちは両側の緩い勾配の魚道を通り、小さくなった段差を軽いジャンプで超えられます。
増水時は石で盛り上げた部分の上も含めて全体が緩い勾配になり、魚にとっては移動がしやすくなります。
簡素なものですが、このような魚道はその後の魚類調査で改善効果がはっきりとデータに出ています。
自然界は微生物から大型鳥獣まで全てが繋がっているものです。魚たちが棲みやすい環境は他の生物たちにとっても良い環境。これからもこのような地道な作業をコツコツと続けていけたらと思います。
 

  HOME  

プロフィール

金指 功(かなざし いさお)

  • Author:金指 功(かなざし いさお)
  • 2004年に埼玉県からウトロのホテル勤務を経て網走に移住。
    2007年2月から網走自然ガイド「オホーツク遊楽倶楽部」として網走の自然の魅力を伝えてきました。
    そして2013年、オホーツク遊楽倶楽部は網走自然ガイド&旅人の宿「わしのとまり木」に生まれ変わり、新たな出発をしました。

最近の記事

リンク

カテゴリー

月別アーカイブ

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

FC2Ad