オホーツクだより

網走自然ガイド&旅人の宿「わしのとまり木」オーナーブログ

濤沸湖のヘイケボタル

2014/07/17 10:37
 
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今シーズンも「わしのとまり木」宿泊のお客様への濤沸湖ヘイケボタル無料観察会を始めました。終了時期はホタルの状況によりますが、大体8月中旬くらいです。

毎年観察している濤沸湖のヘイケボタル。湖畔の自分で決めた区間、時間で成虫の出現から終焉までほぼ毎晩観察、カウントし、気温と共に記録しています。カウントについては決めた区間を歩きながら自分が目視してカウンターを押しています。暗闇の中ですし、2重カウントや視認できない個体もあるでしょうから数字自体はそれほど正確なものではありませんが、目安にはなりますし、毎年この記録を続けていけば学者さんの研究で何かの役に立つ事もあるかもしれません。そんな思いで続けています。(ホタルの撮影は難しいので画像は2010年7月12日のものです)

近年各地の観光地などで観光の目玉などの目的でブリーダーなどからホタルを大量に購入して放したりしていますが、ホタルは同じ種類でも地域によって光り方や生活史などに違いがあります。ブリーダーによって養殖されたホタルを全く違う地域に放流する行為はそれぞれの地域個体群を破壊する可能性があり、同じヘイケボタルであっても外来種と似たようなもので、北海道の自然に魅せられて移住し、現在はその自然の素晴らしさを伝える立場となっている私としてはブリーダーによる養殖ホタルの放流はやめるべきだと考えています。

北海道に生息し、成虫になっても夜光るのはヘイケボタルですが、これも地域によって違いがあるようです。ヘイケボタルは北海道から九州まで広く分布していますが、同じヘイケボタルでも本州と北海道では光り方に違いがあり、更に同じ道内でも違いがありそうです。特に道東、道北では卵から成虫になるまで2年以上かかる事が確認されています。
ブリーダーからホタル幼虫をを購入→放流する際にはその餌としてこれもまたブリーダーが養殖したカワニナなど、本来そこに居なかったものが放流されるケースが多いです。人間の都合による本来の生態系を無視したこのような放流行為には正直言って憤りを感じます。残念ながら網走でもある所で濤沸湖からは離れていますがそのような行為が行われており、地元の小学生まで巻き込んでブリーダーから購入したホタルを放流して「地域の自然を回復しました」と美談に仕立て上げて小さな地元紙に報じさせるという・・・。近年の環境、生態系への意識が社会的に高まっている中で呆れてしまいます。
さすがに大手紙は取り上げませんが。


ちょっと堅いことを書きましたが、「わしのとまり木」の自然ガイドは「楽しみながらも自然に謙虚に真面目に向き合う」をモットーに本来の網走の自然を伝えたいと考えています。
今年の濤沸湖のヘイケボタルは7月8日に私の定めた区間で成虫を5匹初確認、その後15日に82匹、昨夜(16日)は130となりましたのでこれより宿泊のお客様へのヘイケボタル無料観察会を行います。時間は19:40頃から20:30くらいまでです。
1階談話室で簡単なレクチャーの後出発します。なお、雨天や気温が極端に低い場合はホタルもお休みしていますので中止となります。
人為的な放流がされておらず、昔からこの濤沸湖で脈々と命のリレーが続いてきた本来のヘイケボタル、柔らかく儚い命の灯を一緒に観察しましょう。
 

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プロフィール

金指 功(かなざし いさお)

  • Author:金指 功(かなざし いさお)
  • 2004年に埼玉県からウトロのホテル勤務を経て網走に移住。
    2007年2月から網走自然ガイド「オホーツク遊楽倶楽部」として網走の自然の魅力を伝えてきました。
    そして2013年、オホーツク遊楽倶楽部は網走自然ガイド&旅人の宿「わしのとまり木」に生まれ変わり、新たな出発をしました。

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