オホーツクだより

網走自然ガイド&旅人の宿「わしのとまり木」オーナーブログ

サンゴ草

2009/09/21 18:21
 
090917卯原内1

能取湖卯原内のサンゴ草が今ちょうど見頃を迎えています。
ただ、今年は7月下旬の大雨の時に泥水を被った所があり、その部分は土埃を被ったようなくすんだ色になってるほか、奥の方は一部枯れてしまってる所もあります。
でも手前の方は綺麗な赤い絨毯のようになって、訪れる人々を楽しませてくれています。
上の写真は17日に撮影したものです。


さて、サンゴ草は赤くなった時に海のサンゴのように見える事から「サンゴ草」とも呼ばれるようになりましたが、正式には「アッケシソウ」といい、アカザ科に属し、海水が混じり合った塩湿地に群生する1年草、春に芽を出し、秋に赤く色付き、その後種を落として枯れていきます。
能取湖だけではなく、サロマ湖や濤沸湖、風連湖など、道東各地の汽水湖の湿地で見る事ができますが、環境省のレッドリストに載っている絶滅危惧種でもあります。

観光で来られるほとんどの方々は9月になって赤く色付いた姿しか見ていないと思いますが、春に芽を出してから成長していく間は普通の植物と同じ緑色をしています。そして8月に入る頃に少しづつ茎が赤くなり始めるのです。
葉もありますが、大変小さいもので、虫眼鏡で見ないとほとんどわかりません。また、花もあるのですが、これは虫眼鏡で見ても白い点のようにしか見えないほど小さいものです。
私も昨年までは赤く色付いた状態ばかり撮影していましたが、今年は春の発芽から成長していく様子を時々写真を撮っていました。以下、アッケシソウ(サンゴ草)の発芽から赤くなるまでをご覧下さい。


まずは4月30日、ゴールデンウイークが始まった頃、小さな芽が出ているのを見つけました。
090430卯原内2

5月27日
090527卯原内1

6月14日
090614卯原内1

7月20日
090720卯原内4

8月18日
090818卯原内4

9月2日
090902卯原内7


ところで、17日に卯原内のサンゴ草群生地の真正面の宿「かがり屋」さんの屋上にNHKのお天気カメラが設置されました。サンゴ草の期間のみの設置ですが、全国版のニュースや天気予報でもここからの映像が放送される事もあるそうです。
皆さん、ニュースや天気予報はなるべくNHKを見るようにしましょう(笑)
090917カメラ




 

実はこれも外来種

2009/09/10 12:02
 
090905カブトムシ4
このブログではこれまで網走周辺の外来種として時々ウチダザリガニについてお伝えしてきました。
世界自然遺産やラムサール条約登録湿地を擁するこの網走周辺地域ですが、ウチダザリガニ以外にも、セイヨウオオマルハナバチやアライグマ、植物ではアメリカオニアザミ、アラゲハンゴンソウなどなど、枚挙に暇がないほど多くの外来種が存在します。

私が網走に移住し、この地域の自然と関わるようになってから聞いた外来種で一番びっくりしたのは、知床半島基部でオホーツク海に注ぐ斜里川に、なんと熱帯魚としてお馴染みのグッピーが生息しているというものでした。
冬越せるの? 誰でもそう思いますよね。冬だけでなく、夏でもこの地域の川はグッピーが生息できる水温ではありません。
ではそのグッピーはどうやって斜里川で生きてるのでしょう?
さすがに斜里川全域に居るのではありませんが、実は川沿いの温泉施設の排水が流れ込む部分に生息し、継続的に繁殖しているそうです。元はペットとして飼われていたものが捨てられたのでしょう。


ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、数日前、網走湖に突き出してる呼人半島の遊歩道を歩いていたら、上の写真の昆虫を見つけました。
最近あちこちで売っている外国産ではなく、誰でも知っている日本のカブトムシですが、実はこのカブトムシ、本来は本州以南に分布するもので、北海道では外来種なのです。
北海道に定着したきっかけは諸説ありますが、1970年代に旭川周辺のある農家が子供達を喜ばせようと、本州からある程度まとまった数を持ち込み、それを更に増殖させているうちに逃げ出して、自然繁殖しながら道内各地に分布を拡大していったという説が有力だと聞いています。
いずれにしても北海道の自然界に人為的に持ち込まれたカブトムシが現れてからまだ30~40年程度なのですが、現在では道内の多くの地域で普通に見られるようになってしまったようです。
網走周辺地域では北見、津別、美幌ではごく普通に見られ、網走では徐々に増えつつあるものの、まだ少ないと聞いていました。私自身は美幌や置戸では見たことがありましたが、網走で見たのはこの日が初めてです。

カブトムシは樹液に集まる昆虫の中では圧倒的に強い存在です。また、繁殖力も強く、幼虫は発酵熱のあるたい肥などの中で成長し、北海道の冬も容易に越せますので、これからも分布域を拡大しながら増えていくと思います。
本来網走に居なかったこの圧倒的に強いカブトムシが更に増えていったら、これまで網走の森の樹液に集まっていた在来の昆虫達が駆逐され、これまでの生態系が変わっていくことも十分考えられます。

本州以南では普通に生息する国内在来種である事や、誰でも知ってる最も有名な昆虫であるため、今や道内に住む人でもカブトムシが本来北海道には居なかった昆虫であることを知らない人の方が多いようです。また、ウチダザリガニなどと違い、法的な規制も全くありません。
道内のテレビ局など、マスコミも夏の話題として「果樹園の農家が、訪れた子ども達にカブトムシをプレゼントしました・・・」などと、カブトムシを手にした子どもの満面の笑顔を報じる事がありますが、せめてそれが北海道では外来種である事も一言付け加えていただけたらと思います。


北海道庁自然環境課のホームページに「北海道ブルーリスト」というものがあります。これは道が独自に作った北海道での外来種リストで、アライグマやウチダザリガニなど、国が指定した国外からの外来種の他、ゲンジボタルやカブトムシなど、国内種であっても北海道での外来種も、今後考えられる影響を併せて載っています。
ちなみにカブトムシのページには「在来種の駆逐」と「農産物への被害」にチェックマークが入っています。興味のある方はご覧ください。
 

サンゴ草の季節

2009/09/04 00:12
 
090903卯原内1
昨日も今日も北海道らしいとても爽やかな晴天でした。
陽射しがあるので今日の日中の最高気温は26度まで上がりましたが、爽やかで心地よい風が吹きぬけ、本当に気持ちいい天気でした。

網走の秋の風物詩となっている能取湖のサンゴ草もだいぶ赤く色付いてきました。写真は今日のサンゴ草の様子です。
今年の夏は気温が低い日が多かったせいか、いつもより早い感じがします。
もう観光のお客様にも十分楽しんでいただける状況ですが、これから更にもっと赤くなっていきます。
5連休最初の19日・20日の2日間は毎年恒例の「さんご草まつり」も開催されます。
 

ザリガニフォーラム

2009/09/01 22:13
 
090816ウチダ
先日お伝えしたとおり、30日に美幌博物館でザリガニフォーラム「特定外来生物ウチダザリガニの現状と将来」が開催されました。上の写真は8月16日に撮影したウチダザリガニです。


事前に新聞でも報道された事もあり、また、関心も高かったようで、約40人もの方々が来て下さいました。
私はお手伝いで受付と写真及びビデオ撮影を担当しました。

午前中は博物館内でまず、国立環境研究所 環境リスク研究センターから来られた西川氏による「侵入種ウチダザリガニとどう向き合うか?」と題した講演が行われ、その後美幌博物館の町田学芸員から「美幌におけるウチダザリガニの生息状況と防除の取り組み」と題した報告、そして一般の参加された方々との質疑応答が行われました。
090830ザリガニフォーラム1


午後は昨年ウチダザリガニを発見し、防除作業を行ってきた場所へバスで移動、参加者の皆さんも胴長を履いて川に入り、タモ網を使って実際にウチダザリガニを捕獲してもらいました。
しかし、昨年も今年も既に私達が防除作業を行ってきた場所なのに、大きな個体も含め、皆さんの網に次々と簡単にウチダザリガニが入ります・・・。
40人という大人数だったこともあり、僅か30~40分で合計約300匹にもなってしまいました。
090830ザリガニフォーラム2


川から上がり、皆さんが捕獲したウチダザリガニを持ち寄り、じっくりと観察しながら、西川先生が実物を手にしてオスメスの見分け方や特徴などを解説されました。
090830ザリガニフォーラム3


今回のザリガニフォーラムは多くの方々が参加されました。
外来種問題はいろいろと難しい部分も多いと感じることもありますが、まずはより多くの人達に関心を持ってもらう、知ってもらうことが大事だと思います。

 

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プロフィール

金指 功(かなざし いさお)

  • Author:金指 功(かなざし いさお)
  • 2004年に埼玉県からウトロのホテル勤務を経て網走に移住。
    2007年2月から網走自然ガイド「オホーツク遊楽倶楽部」として網走の自然の魅力を伝えてきました。
    そして2013年、オホーツク遊楽倶楽部は網走自然ガイド&旅人の宿「わしのとまり木」に生まれ変わり、新たな出発をしました。

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